F39)菅沼弘明の記録

菅沼弘明の記録

略歴:

第1期
1964年 工作機械メーカ㈱大隈鐵工所(現:オークマ株式会社に入社
      電装技術部門に従事

第2期
1991~1993年 オークマアメリカ電装部門責任者として駐在

第3期
1993年 帰国を期に希望退社
1994~2014年 日伸制御器工㈱
オークマ、ジェイテクト(旧 豊田工機)を大手得意先とする制御盤メーカかつ部品商社

第4期
2014年~ 産業界から引退、シニアライフ時代に


詳細:

徒然なるままに想い起こされる印象的な経験を以下に記します。

第1期
1-1.オークマ入社面接日、研究部長が中ぐり盤のテーブルが1/100mmの精度で位置決めするのを見せてくれた。工作機械を見るのも初めてで、鐵工所で計測科を出てやれそうなことがあるのか一抹の不安を抱きながらの訪問であったが、何か先を感じさせるものであった。
この年、10月日本工作機見本市に日本初のNC研削盤として出品された。この時期、まさにNC技術の黎明期であった。機械メーカでありながら自社開発NC技術を持った環境に身を置いたことが以降の多様な経験に繋がったと思われる。

1-2.オークマは工作機械を主体とする一方、産業機械分野を持っていた。その一つとして独モラート社(現スルザー)と技術提携した丸編機があった。自分もしばらくしてこの電装部門を担当することになった。
丸編機は36ないしは48の給糸口があり、柄を編むには円周上の約2000本のシリンダー針を各給糸口を通過するタイミングで上下制御する必要がある。初期にはこの制御は柄車と称するメカ的方法によっていたが、やがてモラート社の開発した電子選針機構丸編機がもたらされた。この柄指令は36ミリフィルムを読み取りながら行うものであった。
. 図:丸編機
画像


ここで、工作機対応で進歩してきたNC技術を適用しようと約1年をかけ、柄パターンを紙テープで一度読み取ることで、電子選針につなぐことに成功。このことで柄(ジャガード)の大きさ、デザインから生産の短縮に大きな進展を得た。この経験は、編機の原理を紐解きながら、そこに必要なアルゴリズムを設計するといった初めての貴重な経験となった。
それにしても当時は機械速度に対応するアセンブラの処理時間を如何に短くするかに苦心、FDもなく大量の紙テープを如何に収納するかなど、技術の進歩は隔世の感。
その後、TDKのOEMでインサートマシン、チップマウンター、旭精機のNCバネ成形機などそれぞれの分野の面白さ、難しさを味わうことができた。

第2期
2-1.約3年弱、ノースカロナイナ州、シャーロットのオークマアメリカに単身駐在した。
ここでは旋盤、マシニングセンターの現地生産、本社生産期の北米、南米での営業、サービスを行っていた。短期間ではあったが、文化の違い、考え方の違いを感じる経験をした。
駐在直後、ガソリンスタンドでガソリンを入れていたら、米国人が自分に道を尋ねてきた。どうして外個人と判る自分に?
駐在員仲間3人とドライブ旅行中アーリントン墓地で友人がトランクに車のキィーを落としたままトランクを閉めてしまった。途方に暮れている中、通りかかった3人連れの若者たちがトライしてくれたがダメ、しばらくして中年夫婦が声をかけてくれ、ご主人がリアーシートを外せばトランクに通じると自らレンチを持ち助けて下さった。日本に比べれば総じて治安の悪い米国で、こんな親切な米人もいるという、忘れられない想い出であった。

第3期
3-1.転職した会社は従業員60名ほどの中小企業であった。
スパークケンチャー(サージキラー)という自前の製品を持っているものの、大半は制御盤の設計、生産の請負の仕事が占めていた。従ってコスト、納期達成の責務は厳しい状況にあった。ここで働く人達は大企業の従業員に比べれば一般的な知識は低いのだが、格段の逞しさをもっていることをまざまざと感じた。
そんな環境で、事の良し悪しは別として自分も60歳ころまで業務が深夜に及ぶ毎日であった。
一方でオークマアメリカに本社から生産用部品を送っていたが、どうしても組織をまたがるロスがあり、これを短納期、省コストを図るべくその業務を委譲されることとなった。その後、対象は台湾、中国、ドイツへと展開、この企業の一分野事業と言えるレベルとなり、ぼつぼつ潮時と昨2014年夏にバトンタッチを完了。

第4期
4-1.上記輸出業務の後期2年間は週1日程度にスローダウンし時間余裕が持てた時期、家内の母が晩年お世話になったデイーサービスから手伝いが出来ないかと話があり、まだやれることがあればと週2日ほど運営事務を主体に時には利用者様の介護も手伝ってきた。
昨今、介護に係る人達の働く状況の厳しさが指摘されているがまさしく現実である。一方利用者様のご家族の環境も様々であるが、独居の方であったり、娘さん一人で働きながら支えていたり、綱渡りの状況がある。
 自分より若い利用者さんも見るにつけても、さしたる節制もせずまだ比較的健康でいられる幸いを思い
少なくともこれからは周囲に負担をかけず、それなりに充実した日々を送りたいと考えているところです。

最後に
電気のオームの法則は「電流=電圧/抵抗」ですが、抵抗は固定的な抵抗と変化度も抵抗となります。人の行動もこれに似たところがあり、電圧はその人の意欲、抵抗は抱える負担であり、環境、心身などの変化も抵抗、この割合で電流にあたる人の活性度が決まってくる。
 これから何かと弱っていく世代として、その変化を負担と思わず、それなりの意欲を持っていかなくてはということかなと、たわいもないことを考えています。




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